無償で利用できる開発ツール(コンパイラ)


 SDKを公開する以上は、これを誰にでも利用してもらえるように努力する必要が あります。ひとつにはソフトウェア開発の敷居を下げることだと考えています。 これと同様の精神が一部のコンパイラメーカーにあることが救いです。
 最近、商用で提供されるWindows上での開発環境は、Visual Studioや.NET環境、 ActiveXなど、簡単にソフトウェアが開発できるといううたい文句が付けられている ものの、それを利用する上で必要となる前提知識が年々増えてきており、ソフト ウェアの開発を行おうとするものにとっては、時間的な面でも、お金の面でも、 大変な障害になってきていると言えます。
 実現したい内容によっては、確かに最新の開発環境(テクノロジー)を利用しなけ ればならないものもありますが、少なくとも本SDKで追加機能を開発しようとするので あれば、特別に開発ツールを購入するという必要はなく、ちょっとした時間的余裕(こ れが難しいかもしれませんが)さえあれば、実は無償の開発ツールを使いながら十分 独自機能を開発することが可能なのです。 C,C++,Delphiは無償で利用できる素晴らしいコンパイラが公開されていますので 紹介させていただきます。


[C言語,C++言語]
 C言語やC++言語のコンパイラは、現在Microsoftの提供する Visual C++(VC++)が最も有名で、市販されているC,C++処理系書籍のほとんど が、このコンパイラをベースに書かれています。TRYCUT2000もこの環境を利用して 構築しています。 しかし、MicrosoftのVisual C++ Toolkitの一般公開のように、無償で配布されている コンパイラもあり、今回のような開発環境(DLL開発)としては十分機能を満たすところまでレベル アップされてきています。その中でも主なものを3つ紹介いたします。

1. Visual C++ Toolkit & Platform SDK :Windowsアプリケーション開発者向けコンパイラ
 コマンドラインで利用するコンパイラで、新しいWindowsがリリースされる時には、必ずいち早くこれらの環境に 最新のC++のコンパイラが提供されます。当然ですがWindows x64版のコンパイラもC++だけは真っ先にPlatform SDK側で 提供されてきました。このあたりがCやC++言語を推奨する理由でもあります。
 リリースされているのは英語版だけです。インストール後スタート メニューから、Visual C++ Toolkit、もしくはPlatform SDKのx64やIA64のコマンドライン環境を 起動し、例えば、
cl /MD /LD trmod.c [Enter]
のように入力すると、コンパイルと同時にtrmod.dllまで作成されます。

※最新情報として、さらにマイクロソフトからは、GUIを備えた統合開発環境である Visual Studio 2005 Express Editionも無償 公開されました。評価、学習、ホビーに最適と書かれていますが、この環境も本SDKのDLL作成には十分な機能を 備えています。この中のC++だけインストールしても十分です。

2. Borland C++ Compiler 5.5 :フリーで使えるWin32用コンパイラの決定版
 世界中の数100万もの開発者がBorland製コンパイラを利用。12年以上にわたって 改良が繰り返されてきた最も柔軟性や スケーラビリティのある洗練されたコンパイラ。もうこれで十分と言えます。 インストールもダウンロード(実行形式.EXE)ファイルを実行すれば完了です。
 手っ取り早くDLLを作成したい場合は、コマンドラインなどで、
PATH=C:\Borland\Bcc55\bin;%path% [Enter]
のようにパスを指定して、
bcc32 -tWD trmod.c [Enter]
のようにコンパイルすると、trmod.dll(trmodのサンプルの例2) が作成されます。

3. Min-GW(Minimalist GNU For Windows) :gccをWin32に移植した環境
 http://www.mingw.org/にてダウンロードできる"MinGW-x.x.x.exe"でインストール すると、インストールフォルダ下のbinの下にコンパイラ(gcc)が格納されます。
 手っ取り早くDLLを作成したい場合は、コマンドラインなどで、
c:\MinGw\bin\gcc -c trload.cpp [Enter]
c:\MinGw\bin\dllwrap --dllname=trload.dll trload.o [Enter]
のようにコンパイルすると、trload.dll(trloadのサンプル) が作成されます。この例 はc:\MinGw下にインストールされた場合の例です。

※本SDKでは、VC++と上記の2つのコンパイラで作成されたDLLでも動作確認 済みです。


[Delphi]
Delphi(無償版)
 個人の使用を前提にしていますが、Delphiも無償配布されています。
生産性と高速性を両立させ常に高い評価を得ている開発ツールで、「Delphi 6 Personal」は、そのエントリー版として提供され、ボーランドのRAD(Rapid Application Development)を使って、Windowsプログラミングを学習できます。
 この環境を使って手っ取り早くDLLを作成したい場合は、まずはこの Delphi 6 Personalをインストールしていただき、 例えばtrmod.dprをどこかのフォルダに 保存し、このtrmod.dprをダブルクリックしてDelphi起動 「Ctrl」+「F9」するだけで trmod.dll (trmodのサンプルの例2) が trmod.dprと 同一フォルダに作成されます。


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