被切削材の保存と呼び出し


[被切削材の保存]

 ポップ・アップ・メニューの「被切削材(W)」の「保存(S)」で、 保存が行えます。保存形式の種類は大きく分けて以下の3種類です。

被切削材データ(拡張子.DMF)
 TRYCUT専用の被切削材フォーマット。TRYCUTを利用する上で最も効率の よいフォーマット。「オプション(O)」「被切削材保存レベル (D)」の指定により、保存するデータとサイズが変わります。DMFファイルの物理フォーマット詳細につきましては、TRYCUTのホームページのDMFファイル・フォーマットをご参照下さい。

  • レベル1:「形状」のみ保存
    ※Halloween'99以前のバージョンは、この構造のみ読み取ることができます。

  • レベル2:レベル1+「ペンキ、ペン、切削方向」を保存
    ※レベル2以上は、起動オプション/5を利用して連続実行し、後で干渉の状況を 調べるときなどは有効です。
    ※ファイルサイズは、レベル1に対して約25%増し。

  • レベル3:レベル2+「切削行番号」を保存
    ※ファイルサイズがレベル1の2倍以上(約125%増し)で、情報の 不整合を生みやすいため、あまり推奨できるデータ構造ではありませんが、 使い方によって大変役立てられるかもしれません。「切削行番号」とは、 切削処理直後NCデータの検索 処理を行うときに利用する、被切削材の一時的な内部データです。
    ※このファイルを読み込み、NCデータの検索 機能を利用する場合は、このファイルを保存する直前に加工した NCデータファイルをあらかじめ選択しておく 必要があります。後からNCデータを選択すると、その タイミングで切削行番号の情報がクリアされてしまいます。

  • STL形式(拡張子.STL)
     光造形分野の標準フォーマット。テキスト形式、バイナリ形式(インテル系、 モトローラ系)のそれぞれで出力が可能です。通常他システムへデータを送る場合の 利用を想定していますが、被切削材の保存データとしても利用できます。ただし、 テキスト形式ではビットレベルで若干データの劣化が発生します。バイナリ形式では ほぼデータ劣化は発生しませんが、取り込み時の、被切削材の精度ピッチが同一である ことが前提となります。またファイルサイズは、DMFフォーマット(レベル1)に比べ テキスト形式で10倍以上、バイナリ形式で3倍以上になることもありますので留意 しておく必要があります

    VRML2.0形式(拡張子.WRL)
     3Dモデル可視化ツールの標準として、最近のブラウザーではVRMLビューワーが 標準実装されています。多面体形式での出力と格子点形式での出力の2通りで 出力することが可能です。注:本VRML形式から被切削材に戻すことはでき ません。(不可逆)


    [被切削材の呼び出し]

     ポップ・アップ・メニューの「被切削材(W)」の「読み込み(L)」で 呼び出しが行えます。

    被切削材データ(拡張子.DMF)
     TRYCUT専用の被切削材フォーマットですので、最も高速でデータの劣化も 発生せず取り込むことができます。

    STL形式(拡張子.STL)
     光造形分野の標準フォーマット。通常他システムからデータを取り込む場合を 想定しています。テキスト形式、バイナリ形式(インテル系、 モトローラ系)の全てに対応しています。

    <取り込み時の規則>
    ・STL全構成点のXYの最大最小からXY平面上で長方形を定義
    ・STL全構成点の中の一番Z値の小さいものが被切削材の底位置高さ
    ・格子点位置で、複数Z値が存在しても最も高いものを採用する
     (Z軸上方から見て影の部分の定義は無視されます)

    <隙間の自動穴埋め処理について>
     STLファイルの出力システムによっては、エッジの共有が完全に行われて いないことも多く、取り込み処理において所々に穴形状が見うけられることもあります。 これをフォローするのが、自動穴埋め処理で 初期設定ファイルでの指定により、読み込み時に穴と判断された ところを前後の高さの中間高さに強制的に置き換える処理を行います。なお取り込み 直後は、「C」キー (「被切削材データ保持レベル」が1又は2のとき) にて自動穴埋め処理を行う前の状態に戻すことが可能です。
     本指定は、ほとんどのケースで副作用(悪影響)はないものと思われますが、 100%と言いきれるものではないため、エッジ共有が行われているシステムからの 取り込みでは利用されないことを推奨します。


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