マルチコアCPUの効果について


 TRYCUT3000とTRYCUT5000では、処理の並列化に適している処理から、マルチコアCPUに最適化し高速化しています。本ページでは その効果の一部を紹介します。


[マルチコアCPUとは]

 2007年ぐらいから出荷されてきたIntel/AMD両社のCPUは、全てマルチコアと呼ばれるひとつのCPUダイに複数の CPUコアが塔載される形態になってきました。特に最近では4つのコアを塔載するクアッドコアCPUが主流になり つつあり、この流れはIntel/AMD両社の競争により益々コア数が増える方向にあります。一説には2015年には数百コア塔載の「メニーコア」にという話まで出てきています。

 沢山のアプリケーションを起動して作業を行なっている場合には、コアが多いほどそれぞれの処理が 軽くなる傾向にありますが、一般的にはほとんどのアプリケーションに言えることですが、マルチコアだからと言って高速になる わけではありません。故意に処理を並列化しているベンチマークプログラムは例外ですが、一般アプリケー ションでは複雑な処理が多いため、単純に処理を並列化できる例は皆無と言っても過言ではありません。
 しかし、その中でもTRYCUT3000で提供される機能の一部には適しているものもあり、これらの機能に おいては並列化を試みてきました。最近のように4つのコアのCPUが出てきて、その効果は顕著になりつつ あり、ほぼコアの数に比例した高速化が実現できています。


[TRYCUT3000のマルチコアに最適化している機能]

 現時点では以下の2機能で並列化が行なわれています。

1. 法線方向へのオフセット機能
2. 法線方向への差分塗り機能

※加工シミュレーションの部分においても並列化処理のトライは行なってきましたが、並列化の処理単位が 細分化されオーバーヘッドが大きくなり、レスポンス的には逆効果になったため現時点での実装は強制的にOFFにし ています。これはあくまでも現時点での対応で、今後変更する可能性もあります。


[クアッドコアCPUでの速度比較例]

・テストケース
 一番単純なケースとして、サンプルNCデータ"NIFTY!.NC"を0.1mmのワーク精度で切削したものを、5mmオフセッ ト(法線方向)する処理。

・比較CPU
Intel社Core 2 Quad Q6600(デュアルコアのダイを2つ並べた形態)
AMD社Phenom 9500(ネイティブ・クアッドコア)

・処理時間

比較CPU並列化YES
(初期設定)
並列化NO並列化の効果
(倍率)
Intel Core 2 Quad Q6600(2.4GHz)7.13秒26.62秒約3.73倍
AMD Phenom 9500(2.2GHz)7.60秒28.63秒約3.77倍
※上記結果は、初期設定ファイル(F1キー)[Define]セクションの"MULTI THREAD"でYESとNOを指定して比較したものです。省略時は"YES"です。

・備考
 TRYCUT3000では並列化処理(YES)時は、コアの数を自動判別して、内部的にはコアの数だけ処理を分割しています。


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