回転軸の定義


 5軸マシンには、ヘッドやテーブルの回転軸の組み合わせ において様々なタイプのものが実在します。  回転軸がそれぞれXYZ方向のいずれかに平行しているケースでは基本的に 以下のように12種類のパターンがあります。TRYCUT5000では、これら全てのパターン をMTLファイル(F4キー)の設定により対応させます。


【回転テーブル型】2つの回転軸がテーブル側に備わっている機械

回転テーブル(マスター)
ROTARY AXIS1
回転テーブル(スレーブ)
ROTARY AXIS2
MTLファイル内での設定
X軸(A)Z軸(C) ROTARY TYPE = TABLE
ROTARY AXIS1 = X
ROTARY AXIS2 = Z
Y軸(B)Z軸(C) ROTARY TYPE = TABLE
ROTARY AXIS1 = Y
ROTARY AXIS2 = Z
X軸(A)Y軸(B) ROTARY TYPE = TABLE
ROTARY AXIS1 = X
ROTARY AXIS2 = Y
Y軸(B)X軸(A) ROTARY TYPE = TABLE
ROTARY AXIS1 = Y
ROTARY AXIS2 = X

MTLファイル(F4キー)内での設定例:
ROTARY TYPE = TABLE
ROTARY AXIS1 = X
ROTARY AXIS2 = Z
TABLE POSITION=(0.0,0.0,0.0)
TABLE OFFSET=(0.0,0.0,0.0)
TABLE1 TYPE=PLANE
TABLE2 TYPE=CIRCLE
MOVE(Y)=TABLE

※本タイプでは、この他に回転軸1と回転軸2のズレ(TABLE OFFSET)や回転軸1の機械座標系での位置 (TABLE POSITION)の設定が必要です。詳細はMTL内の回転軸の設定部分を ご参照下さい。

※本タイプでは、機構上、回転軸上に回転軸が付く構造になります。根元の回転軸をマスター、 その上で回転する軸をスレーブと呼んでいます。

※特殊ケースとして、マスター(ROTARY TABLE1)側のZ軸(C)指定も可能にしていますが、工具の向きに 制約があります。


【回転ヘッド型】2つの回転軸がヘッド側に備わっている機械

回転ヘッド(マスター)
ROTARY AXIS1
回転ヘッド(スレーブ)
ROTARY AXIS2
MTLファイル内での設定
Z軸(C)X軸(A) ROTARY TYPE = HEAD
ROTARY AXIS1 = Z
ROTARY AXIS2 = X
Z軸(C)Y軸(B) ROTARY TYPE = HEAD
ROTARY AXIS1 = Z
ROTARY AXIS2 = Y
X軸(A)Y軸(B) ROTARY TYPE = HEAD
ROTARY AXIS1 = X
ROTARY AXIS2 = Y
Y軸(B)X軸(A) ROTARY TYPE = HEAD
ROTARY AXIS1 = Y
ROTARY AXIS2 = X

MTLファイル(F4キー)内での設定例:
ROTARY TYPE = HEAD
ROTARY AXIS1 = Z
ROTARY AXIS2 = X
HEAD OFFSET=(0.0,0.0,0.0)
HEAD POSITION=(0.0,0.0,0.0)
MOVE(Y)=TABLE

※本タイプでは、この他に回転軸1と回転軸2のズレ(HEAD OFFSET)や回転軸2と工具軸の ズレ(HEAD POSITION)の設定が必要です。詳細はMTL内の回転軸の設定部分を ご参照下さい。

※本タイプでは、機構上、回転軸に回転軸が付く構造になります。根元の回転軸をマスター、 その先で回転する軸をスレーブと呼んでいます。


【混合型】2つの回転軸がヘッド側とテーブル側にひとつずつ備わっている機械

回転ヘッド
ROTARY AXIS1
回転テーブル
ROTARY AXIS2
MTLファイル内での設定
X軸(A)Z軸(C) ROTARY TYPE = MIX
ROTARY AXIS1 = X
ROTARY AXIS2 = Z
Y軸(B)Z軸(C) ROTARY TYPE = MIX
ROTARY AXIS1 = Y
ROTARY AXIS2 = Z
X軸(A)Y軸(B) ROTARY TYPE = MIX
ROTARY AXIS1 = X
ROTARY AXIS2 = Y
Y軸(B)X軸(A) ROTARY TYPE = MIX
ROTARY AXIS1 = Y
ROTARY AXIS2 = X

MTLファイル(F4キー)内での設定例:
ROTARY TYPE = MIX
ROTARY AXIS1 = X
ROTARY AXIS2 = Z
HEAD POSITION=(0.0,0.0,0.0)
TABLE POSITION=(0.0,0.0,0.0)
TABLE TYPE=CIRCLE
MOVE(Y)=TABLE

※本タイプでは、この他に回転軸1と工具軸のズレ(HEAD POSITION)や、回転軸2の機械座標系での位置 (TABLE POSITION)の設定が必要です。詳細はMTL内の回転軸の設定部分を ご参照下さい。

※本タイプでは、必ずヘッド側の回転軸を、ROTARY AXIS1で、テーブル側の回転軸を、ROTARY AXIS2で定義して下さい。


【4軸加工機への対応】

 TRYCUT5000では回転軸のひとつを固定することにより4軸加工機にも対応します。以下の例は回転テーブル 型(A軸+C軸)でスレーブのC軸(仮想)を固定にて適用しているものです。加工中 イメージはこちらをご参照下さい。

MTLファイル(F4キー)内での設定例:

ROTARY TYPE = TABLE
ROTARY AXIS1 = X
ROTARY AXIS2 = Z
TABLE POSITION=(0.0,0.0,0.0)
TABLE OFFSET=(0.0,0.0,0.0)
TABLE1 TYPE=AXIS
TABLE2 TYPE=NO
MOVE(Y)=TABLE

※上のそれぞれの設定例では、機械側の形状をTRYCUT5000側で自動最適定義しています。この自動最適定義では正確さに 限界があります。理想としてはMTLファイルのMODEL設定で、機械側の形状(テーブル,ヘッド,機械全体)を STLファイルでインポートすることを推奨します。インポート例はこちらを ご参照下さい。

※アドレス文字は、通常X軸=A,Y軸=B,Z軸=Cですが、CTLファイル(F3キー)内で切り替えることも可能です。


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