trnccom

(NCデータからの工具情報抽出)

trread  trsim  trload  trmod  trsave  trnccom  treditor  trsync
SDKトップページへ


 TRYCUTは、現在のNC工作機械の主流になっているATC(自動工具交換)機能 付きの工作機械を想定した仕様になっていますが、実際は手動で工具を変更する 場合など、必ずしも現行の仕様が加工現場のシミュレーターとしてマッチするとは 限りません。また最終的にATCで切削する場合でも、NCデータ を用意する段階では試行錯誤を繰り返すこともあり、このような場合にはTRYCUTの 工具定義(TTL)より簡単に一時的に工具を指定したいケースがあります。
 一方NCデータ には、CAMシステムや加工現場の取り決めで、工具情報や加工条件などを( )コメント 行やNCデータファイル名自体に記載している場合も多く、これらの情報を自動的に 読み込んで工具形状などの情報を自動設定したいというユーザーが多いのが現実です。
 しかし、この部分の仕様は世の中の一般形といったものはなく、TRYCUT側本体で標準的に 吸収することは、特定ユーザー向けの仕様になってしまうことから、NCデータの情報解析I/F(trnccom)を 用意して吸収することにしたものです。これにより全てのTRYCUT操作が自動化されるというもの ではありませんが、工具の設定に関しては簡略化できるケースが多く好評です。
 当初はコメント行からの情報抽出が目的でしたが、現在はNCデータファ イル名から工具情報を与えることを可能にする関数(TRNCCOMTOOLF,TRNCCOMTOOLLENF,TRNCCOMARBORF)も 追加しています。

※CTLファイル(F3キー)にて、PRODUCT=HEIDENHAIN が指定している場合、 NCデータの中の";"以降は通常コメントとして扱われますが、 現バージョンでは単純に無視(trnccomの対象外)されているだけですのでご注意下さい。


<仕様>

 trnccom は、以下8種類から成る関数(手続き)のダイナミックリンクライブラリ (DLL) trnccom.dll をTRYCUTインストールフォルダに格納することにより有効に なります。

TRNCCOMINIT
TRNCCOMTOOL ☆ 工具定義パラメーターの詳細
TRNCCOMTOOLF ☆TRNCCOMTOOLもしくはTRNCCOMTOOLFのいずかは必須
TRNCCOMTOOLLEN
TRNCCOMTOOLLENF
TRNCCOMARBOR
TRNCCOMARBORF
TRNCCOMFREE

trnccom関数詳細仕様(trnccom.cppスケルトン)
※現在、各関数の仕様書はC++のスケルトン(枠組み)プログラムで代用しています。
※DephiやFortranで開発される場合は、 C,C++ & Delphi(Pascal) & Fortran 対応付けをご参照下さい。
※☆印はいずれかが必ず必要な関数で、無印は省略可です。
※DLLの名称は、"trnccom.dll"のみ認識します。
※trnccom.dllが実際認識できているかどうかは、 工具ダイアログ上部のウィンドウバー文字列の最後が'*'になっていることで 確認できます。


<適用例>

 ここではコメント行からではなく、単純ケースとして、NCデータ名に工具情報を埋め 込んでいる場合の、自動工具設定を実現するための例を紹介します。

 工具の名称基準は、頭にARA(粗加工用NCデータ)もしくはSHI(仕上げ用NCデータ)が付 いていて、その次に"-"が入り、その 後に工具情報が入るものとします。
 工具情報の頭文字Bの場合BALL、Fの場合FLAT、Rの場合RADIUSになっていると仮定して、それ ぞれ工具の種類を表わす頭文字の直後に工具径が入り、RADIUSの場合のみ更に"-"の後に、チッ プ径(コーナーR)が指定されるものとします。

(NCデータ名称例)
"ARA-R20-5.NC"
"ARA-F10.NC"
"SHI-B6.NC"

 上記のようなケースにおいて刃先のチェックのみに利用する場合に おいては、TRNCCOMTOOLF関数だけを作成してtrnccom.dllを用意すれば、工具設定の自動化が 実現できます。

このケースの処理を実現するソースが以下です。BALLにはPEN番号1、FLATにはPEN番号2、RADIUSにはPEN番号3を 割り当てています。
trnccom.c

 実際このプログラムにてコンパイル、リンクしたDLLが以下です。
TRYCUT2000(32bit)用:trnccom.dll、 TRYCUT3000(64bit)用:trnccom.dll

テストでお試しされる場合は、このtrnccom.dllをTRYCUTインストールフォルダに保存してご利用下さい。 (注意:DLLはTRYCUTの起動時に認識するものですので、起動中に保存しても TRYCUT側は認識しません。)


 ※今後、各関数の仕様変更は行いませんが、ご要望により適宜 仕様追加は行います。


trread  trsim  trload  trmod  trsave  trnccom  treditor  trsync
SDKトップページへ
トップページへ