コントローラー定義ファイル


 TRYCUT3000でシミュレーションを行う工作機のコントローラーの仕様を 設定(「F3」キーで編集)します。 それぞれのパラメータは、以下の形式で指定します。

   キーワード=設定値

 先頭が # で始まる行はコメント行となります。

キーワード 内  容
NAME  コントローラーの名称を指定します。ここで指定したコントローラーの名称は画面左上に表示されます。漢字を使うこともできます。[文字列:最大20文字]
NAME COLOR   コントローラーの名称の文字の色と、背景色を指定します。指定の形式は(R,G,B)で(文字の色)、(背景色)の順に指定します。ここで指定する色は、動作には影響 しませんが、CNCメーカーの中にはイメージカラー(例:黄色)をもつ場合が多く、 なるべくそのカラーに合わせておくと分かりやすいと思われます。[(整数,整数,整数),(整数,整数,整数)]
PRODUCT  コントローラーのタイプを指定します。(FANUC or OSP or HEIDENHAIN)
省略時はFANUCとみなします。GコードやMコ−ド体系の異なるOSP向けの NCデータで、ワーク座標選択コード(G15)や工具長補正(G56,G53)、 G71,M52〜M54,NCYLを認識させる場合に OSP と 指定する必要があります。
 なおMELDASをはじめとする他のCNCは、FANUCとほぼ同一仕様の場合が 多く、現時点ではTRYCUT3000での区別はありません。これらのコントローラーの シミュレーションを行う場合は本指定を省略するか、"PRODUCT=FANUC"を指定して 下さい。
INITIAL PLANE
(新設)
 起動時やNCデータの読み込み時の平面選択を行ないます。 [XY or ZX or YZ] 又は [G17 or G18 or G19]
省略時はXY(FANUC系ではG17の状態)です。
UNIT  NCデータ座標値の最小設定単位を指定します。[1/100 又は 1/1000 又は 1/10000]
※省略時は1/1000とみなします。
UNIT(DEG)  NCデータ回転角度(G68にて指定)の最小設定単位を指定します。[1/1000 又は 1/100000]
※省略時は1/1000とみなします。
※G68のR指定で小数点付きの場合は、本設定は無視され小数点位置が度の単位になります。
UNIT(SCALE)  NCデータ座標値のスケール値(G51で指定)の最小設定単位を指定します。[1/1000 又は 1/100000]
※省略時は1/1000とみなします。
※PRODUCT=OSP指定時は本設定を無視します。
ROTATION ANGLE  G68のR指定を省略する場合、本設定値を回転角度とみなします。(単位:度)
※小数点位置は度の単位になります。
SCALE EFFECT(X)
SCALE EFFECT(Y)
SCALE EFFECT(Z)
 各軸ごとにスケールが有効か否かを指定します。[ON 又は OFF]
※省略時は全てONとみなします。
※PRODUCT指定に関わらず本設定は有効です。
SCALE(X)
SCALE(Y)
SCALE(Z)
 G51のP指定を省略する場合、本設定を各軸のスケール値(倍数)とみなします。
※PRODUCT=OSP指定時のP指定省略は1倍とみなしますので、本設定を無視します。
ONLY G40  径補正中に指定平面上の移動がないG40ブロックがあった場合の動作タイプを 指定します。[OFFSETまたはRESET]
OFFSET :径補正がかけられた位置のまま。
RESET :径補正が解除された位置に移動。
DECIMAL POINT NCデータ座標値の解釈の方法を指定します。 [AUTO,YES,NO,NORMALのいずれか]
AUTO :自動判別します。
YES :小数点の指定あり。
NO :小数点の指定なし。
NORMAL :小数点はあってもなくてもよい。小数点のない数字は、整数となるオプションです。 小数点位置がmm単位になります。小数点がない場合には、最後の桁の位置が、mm単位になります。OSPなどで対応されています。
<指定例>
・123 = 123mm
・123. = 123mm
・0.123 = 0.123mm
・.123 = 0.123mm
FEEDRATE  Fコードの直接指令/間接指令/ケタ数による自動切り替えモードの指定[DIRECT,INDIRECT,AUTO1,AUTO2のいずれか]
DIRECT:直接指令
INDIRECT:間接指令
AUTO1:1ケタまで間接、2ケタ以上直接指令とみなす
AUTO2:2ケタまで間接、3ケタ以上直接指令とみなす
※間接指令の実際の値は、本コントローラー定義ファイルの中で、 MEMORY F10=1000 のようにして指定します。
OPTIONAL BLOCK SKIP  オプショナルブロックスキップを有効にする初期設定を行います。 1〜9の数字をカンマで区切って指定します。
例:/,/3,/5 の行をスキップ対象にしておきたい場合
OPTIONAL BLOCK SKIP = 1,3,5
省略時は全て無効(スキップしない)とみなされます。
STOP OPTION  自動停止の基準の初期選択を 行います。[NORMAL,M01,SINGLE,DEFINE,NONEのいずれか]
NORMAL:M00で停止(通常モード)
M01:M01でも停止
SINGLE:シングルブロック
DEFINE:次ぎの"STOP CHARACTER"文で定義された文字列の存在する行で 停止
NONE:ノンストップ
省略時は"NONE"とみなされます。
STOP CHARACTER  上記STOP OPTIONにて、DEFINEを指定したときに参照する文字列を定義します。 文字列をカンマで区切って指定します。

例:M00,M01,M06,Tコードとコメント行()で一時停止したい場合
STOP CHARACTER = M00,M01,M06,T,(

※文字列は20個まで指定でき、それぞれ半角10文字まで定義可能。

CODE CHECK  文字コードのチェックを行うか否かを指定します。[YES 又は NO]※省略時はNOです。

 次のCHECK CHARで指定された文字以外のコードチェックや、小数点の重複チェックを行ない ます。本設定でYESを指定すると最適ワークの定義時、帳票出力、加工処理の全てで チェックを行います。チェックだけが目的であれば、最適ワークの定義や、帳票出力を 利用していただくのが最速です。

CHECK CHAR  CODE CHECK=YES指定時に有効になる設定で、NCデータ内に許される文字を指定します。 指定された文字以外(数字は除く)があるとエラーにします。ただし、コメント( )内のチェックは 行いません。

指定例:
CHECK CHAR="ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ.+-= #%()/"

REPLACE  NCデータ読み込み直後に文字列を置換します。
基本的にそれぞれの文字列は、" (ダブルクォーテーション)で囲む仕様ですが、 置換文字列自体にダブルクォーテーションが存在する場合には、 ' (シングルクォーテーション)を利用してそれぞれの文字列を囲って下さい。

指定例:
REPLACE "G65P9400"="G81"
REPLACE "G65P9500"="G81"
左側の文字列を見つけた場合に、右側の文字列に置換して 処理します。(※最大1000個まで定義可能)

REPLACE TYPE
(Ver2.75で新設)
 REPLACE文を複数指定している場合、その順番で置換が行われますが、 置換後の文字列も含めて、 その後のREPLACE文で置換対象にするか否かを1 or 2で指定します。

1 : 置換後の文字列は置換対象にしない。(省略時)
2 : 置換後の文字列も置換対象にする。

指定例:
REPLACE TYPE = 2

WAIT M-CODE  TRYCUTを停止状態にするMコード番号を指定します。

 本指定と外部からのコント ロールを組み合わせることにより様々な用途に適用可能となります。例えば複数系統制 御用のシミュレーションなどを行う場合に外部プログラムを利用して同期コントロール が実現できます。

 TRYCUTが指定Mコードを読むと、"waitfile"という名称のサイズ0のファイルを 作業フォルダに作成して停止します。この"waitfile"が削除されるまでTRYCUTは 停止したままになります。
 停止中はウィンドウバーにそのMコード番号が点滅表示されます。
再開させたい場合は、この"waitfile"を外部から削除して下さい。
M-CODEの番号は、カンマで区切って10個まで複数指定可能です。

指定例:M101,M102,M103で停止状態にしたい場合
WAIT M-CODE=101,102,103

※上記指定例では、指定した全てのMコードに対して"waitfile"という名称ファイル を作成しますが、個別にファイル名称を指定したい場合は、番号の後のカンマ後に 半角英文字(a〜z,A〜Z)で始まるファイル名称を指定して下さい。数字で始まる 名称はNGです。

指定例:
WAIT M-CODE=101,102,m102file,103

※上記指定例では、M101とM103は"waitfile"、M102は"m102file"という名称の ファイルを作成します。

G92MODE  1つ目のG92を読んだときの処理を指定します。[NORMALまたはMOVE]
NORMAL:制御装置の仕様通り制御座標値を指定座標でリセットします。
MOVE :指定座標値まで移動します。2つ目以降のG92はNORMAL指定と同じ。
G49MODE
(新設)
 G49直後の動作を指定します。[NORMALまたはKEEP]
NORMAL:工具長補正が解除された位置に移動します。
KEEP :G49ブロック直後は以前の位置のままで移動しません。
G00MODE G00動作の定義を指定します。[LINE or ASYNC or ASYNC2 or UNKNOWN]
★詳細は必ずこちらをご参照下さい。
LINE:直線補間(設定省略時はLINE) ※"LINER"又は"LINEAR"でも可
ASYNC:非同期、同時スタート、各軸一定で等速を前提
ASYNC2:非同期、同時スタート、MTLファイルの加速度と加加速度を考慮
UNKNOWN:動作制御不明、安全サイドの矩形チェック
G00PATH G00MODE=LINE以外のときに、F6などパス表示のみ強制的に直線だけで表示させる場合の設定です。[LINE]
以下のように指定する以外は、本設定を省略して下さい。
G00PATH=LINE
G10MODE  G10を読んだときの認識モ−ドの設定を行います。[FANUC-A or FANUC-B or FANUC-C]
(※省略時は、Version2.61以前はFANUC-A,Ver2.62以降はFANUC-C)
FANUC-A:G10P_R_ のような形式で補正値を変更修正する場合
FANUC-B:G10L10P_R_,G10L11P_R_ のような形式で 補正値や磨耗値を変更修正する場合
FANUC-C:G10L10P_R_,G10L11P_R_,G10L12P_R_,G10L13P_R_ のような形式でDコードとHコードの補正値や磨耗値を変更修正する場合

註:FANUC-BやFANUC-Cを指定する場合は、補正値と磨耗値の初期値を、 このコントローラー定義ファイルの中で、 MEMORY D10 = 5.0 0.1 のように指定し、2つの値を同時に定義しておくことが できます。シミュレーション時は、この2つの値をプラスして動作します。

TOOL OFFSET MEMORY
(Version2.62以降)
 工具補正量メモリのタイプ設定を行います。[A or B or C]
(※省略時は、C)
A:FANUCのタイプA相当
B:FANUCのタイプB相当
C:FANUCのタイプC相当
(※本設定は、前項G10MODEのFANUC-A/FANUC-B/FANUC-Cの設定と等価です。
いずれか一方で指定して下さい。重複する場合は後の設定を有効とします。)
CHECK F0  F値の0をチェックするか否かを指定します。[YES or NO]
YES:チェックする(※移動の無いブロックはチェックしません。)
NO:チェックしない(省略時はNO)
RETURN LEVEL  サイクル動作時の復帰点レベルの位置を選択します。[G98 or G99]もしくは[INITIAL or R]
※省略時はG98(INITIAL)とみなします。
G98(INITIAL):イニシャルレベル
G99(R):R点レベル

CYCLE(D)  G73,G83時の戻り量(mm)、OSPのG83IJ指令時のD1,D2戻り量をそれぞれ同時に指定します。 省略時は0.1とみなします。

※戻り量は逃げ動作ですので、 シミュレーション結果には特に大きく影響を与えるものではありませんが、 加工見積り時間には顕著に影響する場合があります。
※これら戻り量の値を個別に指定したい場合は、CYCLE(D)での指定はせずに、 次項目の
G73_D
G83_D
G83_OSP_D1(Ver2.75で新設)
G83_OSP_D2(Ver2.75で新設)
での指定を行って下さい。
(※多くの実機では、それぞれの値が異なっています。)
G73_D
or
G83_OSP_D2
(Ver2.75で新設)
 G73時の戻り量(mm)、又はOSPのG83IJ指令時のD2戻り量を指定します。 省略時は0.1とみなします。
G83_D
or
G83_OSP_D1
(Ver2.75で新設)
 G83時の戻り量(mm)、又はOSPのG83IJ指令時のD1戻り量を指定します。 省略時は0.1とみなします。
R-TOLERANCE  G02/G03のIJK指定の不整合により、始点と終点の半径の違い(誤差)を どこまで許容するかを設定する。本設定以上に誤差が含まれる場合は強制終了 します。省略時はチェックしません。
CHECK RADIUS OFFSET
(新設)
 径補正時のアラームを3種類(停止,ログ,ペンキ塗装)の方法で検出します。

 (1) 停止処理 : STOP or 省略
 (2) ログ出力処理 : LIST or OPEN or 省略
  ※ログ出力のみでエディタで開かない場合は"LIST"にして下さい。
 (3) ペンキ塗装 : PENKI or 省略

以上3種類の指定を"+"で繋いで指定して下さい。

指定例
CHECK RADIUS OFFSET = STOP + OPEN + PENKI

CHECK REVERSE ARC  径補正時のオフセット後に円弧半径のマイナスをチェックします。[Yes or NO]
省略時はNOでチェックしません。始点と終点の半径の双方を評価し、最小設定単位でいずれか一方でもマイ ナスになった場合はエラーを出力します。
CONCAVE-ARC FEED
(新設)
 内側円弧速度変更を行なうか否かを指定します。[CHANGE,KEEP] ※省略時はCHANGEです。
CHANGE:速度変更する
KEEP:速度変更しない

Gxx CLEARANCE  Gxxは固定サイクルコードを指定。R点以下の指定値分だけ早送りと見なして 動作します。
指定例:
G84 CLEARANCE = 3.0
※本設定はシミュレータとしての変則的な仕様で、本来のCNC装置には無い制御ですが、干渉チェックの ために便宜上用意しているものです。
X-CODE
Y-CODE
Z-CODE
  X-CODE,Y-CODE,Z-CODEの指定をそれぞれどの軸の値に反映するかを指定します。 それぞれ、X,Y,Z,-X,-Y,-Zのいずれかの軸を指定して下さい。ただしお互い に同じ軸方向がないようにして下さい。
例1:X-CODE=-X,Y-CODE= Y,Z-CODE= Z という指定はX軸方向のミラーとなります。
例2:X-CODE= Y,Y-CODE= Z,Z-CODE= X この例はZX平面上のNCコードをXY平面 に投影するような場合に使用できます。
例3:X-CODE= Z,Y-CODE=-Z,Z-CODE= X という指定はZ軸が重なっているので不可。
CHAR(X)
CHAR(Y)
CHAR(Z)
  NCデータのアドレス文字X,Y,Zを別の文字に置き換えて認識するようにする。
指定例:
CHAR(X) = U
CHAR(Y) = V
CHAR(Z) = W
の場合は、U,V,W文字でX,Y,Zの座標を指定したNCデータを認識する。
※X-CODE,Y-CODE,Z-CODEとの併用は避けて下さい。
EOR  NCデータの開始と終了を示すコードを指定します。[例えば%や#など 任意の文字](注意:この指定を省略すると最初のブロックから最後のブロックまですべて有効とみなします。)
MEMORY Dxxx  工具径補正のメモリ設定を行います。(単位:mm)[実数]
xxは、1〜999の値で、NCデータのDコードの番号に対応します。
註:ここでは通常補正値を指定しますが、G10MODEで、 FANUC-B又はFANUC-Cを 指定している場合は、補正値と磨耗値をMEMORY D10 = 5.0 -0.1のように指定します。
MEMORY Hxxx  工具長補正のメモリ設定を行います。(単位:mm)[実数]
xxは、1〜999の値で、NCデータのHコードの番号に対応します。
註:ここでは通常補正値を指定しますが、G10MODE で、FANUC-B又はFANUC-Cを 指定している場合は、補正値と磨耗値をMEMORY H10 = 25.0 -0.1のように指定します。
MEMORY Fxx  間接指令用のF値の設定を行います。(単位:mm/分)[実数]
xxは、1〜999の値で、NCデータのFコードの番号に対応します。
註:間接指令時で本項目が指定されていない場合は、切削見積り時間が大きく ずれたり 最適化時に正しく送り速度が指定されないことがあります。
MEMORY G54〜G59  PRODUCT=FANUC 時のワーク座標系原点(x,y,z)を設定します。 (単位:mm)[実数]
<指定例>
MEMORY G54 = (100.0,100.0,0.0)
※FANUCの追加座標系は、次の"MEMORY WK"指定で行って下さい。
MEMORY WKxxx  ワーク座標系原点(x,y,z)を設定します。 (単位:mm)[実数]
[指定例]
MEMORY WK1 = (100.0,100.0,0.0)
※G54〜G59 とWK1〜WK6 は、内部では同じメモリ位置に保存されます。
またFANUCの追加座標系P1,P2,P3...は、WK7,WK8,WK9...に対応します。

[呼び出し例]
WK1座標系は、FANUCではG54にて、OSPではG15H1 にて呼び出されます。また
WK7座標系は、FANUCではG54(G54.1)P1にて、OSPではG15H7にて呼び出されます。

MEMORY EXOFS
(新設)
 PRODUCT=FANUC 時の外部ワーク原点オフセット量(EXOFS)(x,y,z)を設定します。 (単位:mm)[実数]
<指定例>
MEMORY EXOFS = (100.0,100.0,-500.0)
MEMORY REF-PT(1〜4)
(新設)
 リファレンス点(x,y,z)を機械座標系で設定します。 (単位:mm)[実数]

[指定例]
MEMORY REF-PT= (-450.0,0.0.0)
※REF-PTとREF-PT1は、内部では同じメモリ位置に保存されます。
またFANUCの第2〜4レファレンス点は、REF-PT2,REF-PT3,REF-PT4に対応します。

 がついている項目は、起動中に変更可能です。

※コントローラー定義ファイル自体は、ポップ・アップ・メニューの「設定ファイル(T)」もしくはドラッグ アンド ドロップにより切り換えが可能です。


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